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高級ブランド値下げ相次ぐ 金融危機が影響か

高級ブランド値下げ相次ぐ 金融危機が影響か

高級ブランドの旗艦店が立ち並ぶ銀座2丁目交差点=東京都中央区 ルイ・ヴィトン、カルティエ、フェラガモ-。日本市場を“ドル箱”にしてきた海外の高級ブランドが、相次いで値下げに踏み切っている。円高ユーロ安が進み、商品コストが下がったことが理由だが、これだけのブランドが一斉に値下げするのは異例。背景には高額品の販売が急速に落ち込んでいることも影響しているとみられ、米国の金融危機に端を発した世界的な景気後退が高級路線の転換を迫っている。

 仏宝飾品ブランド、カルティエは、11月21日から時計やアクセサリーなどほぼ全商品を平均約10%値下げした。カルティエを展開するリシュモン・ジャパンでは「円高をみて、適正な価格にした。ディスカウントして売り上げを伸ばそうという意図はない」と話す。

 29日からは、ルイ・ヴィトンがバッグや革小物などを平均7%値下げした。値下げはほぼ4年半ぶりで、為替や製造コストなどから判断したという。仏高級服飾ブランドのクリスチャン・ディオールも、12月2日からバッグやレザーグッズなど一部商品を平均8%値下げする。

 海外の高級ブランドはこれまで「ブランド価値の低下につながるおそれがある」(業界関係者)と、値下げには距離を置いていた。しかも、クリスマスを控え、最も売れる時期だけに、大手百貨店の担当者は「普通なら値下げしないはず」と驚きを隠さない。しかし、世界的な景気後退は高級ブランドの足元を揺さぶっている。

 ルイ・ヴィトンを展開する仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンでは1~9月期の売上高のうち日本が11%を占めるが、この期間の日本の売上高は前年同期に比べ7%減った。伊宝飾品ブランド「ブルガリ」は値下げを見送っているが、グループを率いるフランチェスコ・トラーパニ最高経営責任者は「各国の株価が下落し、10、11月の売り上げは過去にないほど悪い。クリスマスはもちろん、2009年も厳しい状況は続くだろう」と話す。

日本百貨店協会が発表した10月の全国百貨店売上高は高額品が大崩れし、ブランドバッグなど身の回り品は前年同月比9・7%減。過去3年間で最大の落ち込みだ。「金融や不動産関連など新興富裕層に購買意欲減退の兆しがみえる」(電鉄系百貨店)ほか、消費を牽引(けんいん)していた20~40代の女性も「自分へのご褒美として購入するケースが減った」(同協会)という。

 値下げによって、実際に売り上げを伸ばしたブランドもある。仏高級靴ブランド、JMウエストンは11月10日から全商品を2割値下げしたが、同ブランドを扱う高島屋日本橋店(東京都中央区)では、売り上げを前年から3割も増やした。低価格の商品を投入した伊フェラガモでも「来店数や販売につながっている」としている。
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