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死の直前4日間の謎 大阪・西淀川事件

死の直前4日間の謎 大阪・西淀川事件 4月30日(木) 16時17分

【1】大阪市西淀川区の小学4年生松本聖香(せいか)さん(9)が遺体で見つかった事件は、母親ら3人が逮捕されて30日で1週間を迎えた。家出を届け出た傷心の母親や内縁の夫らは一転、死体遺棄の容疑者となり、聖香さんを虐待し続けていた疑いも出てきた。周囲では、聖香さんの異状を示す多くのシグナルが見落とされていた。府警は虐待が死につながった可能性について調べている。

【2】「前夜から上の住民が騒がしい。DV(家庭内暴力)じゃないのか?」西淀川区のマンション住民から110番通報があったのは、3月23日午前3時20分ごろだった。上階の部屋を訪ねた西淀川署員の前に現れた女性は「ただの夫婦げんかです」と釈明した。聖香さんの母親の美奈容疑者(34)だった。署員は注意しただけで、引き揚げた。 「いつもピンクの上下を着て、室内に向けて直立不動の姿勢だった」 聖香さんの自宅マンションに隣接する工場の男性従業員が、4階のベランダに女児がいるのに気づいたのは110番騒ぎの約4時間後だった。それ以後、土日をはさんで31日まで、女児は毎日朝も夕も同じ姿勢で立たされていた。4月に入るとすぐに、季節はずれのすだれが延長数メートルのさく全体を覆うようにかけられた。近所の人には目隠しのように見えた。「(4月)6日朝、ベランダで聖香が死んでいるのに気づいた」 奈良市の山中に遺体を捨てたとして逮捕された内縁の夫の小林康浩容疑者(38)はそう供述した。

【3】住人らの証言によると、この部屋では以前から、たびたび男の怒声や女の子の泣き声が響いていた。1月には聖香さんが顔にあざをつくって登校し、「しんどい」と訴えて保健室を何度も訪れていた。3月11日からは長期欠席が始まった。 捜査関係者によると、小林容疑者は「(聖香さんを)殴ったことがある」と話しているという。 だが、こうしたベランダへの放置や暴力と、死亡の因果関係は不明なままだ。遺体の司法解剖では、頭の内部に小さな血腫が見つかり、腕の上部など数カ所に打撲のような跡があったが、いずれも直接死に結びつくようなものではなかったという。

【4】府警が最も注目しているのは、聖香さんが死亡したとみられる4月6日までの4日間だ。4月3日午後、マンション近くにいた男性2人が「バシッ、バシッ」と、平手打ちするような音と女児が泣きながら謝る声を聞いた。ベランダに閉め出されていた3月下旬には、一時途絶えていた怒声と泣き声だった。その直後、美奈容疑者の携帯電話から大阪市中央児童相談所に通話した記録が残っていた。娘にこれまでにない異変を感じた美奈容疑者が何かを伝えようとしたのか――。児童相談所側は「相談を受けた記録は確認できない」とする。捜査幹部の一人は「暴力やベランダへの放置など複数の要因が重なり、徐々に衰弱して死亡した可能性もある」と話す。

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