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奈良町は「にゃらまち」、なぜ猫多い?

奈良町は「にゃらまち」、なぜ猫多い?

【1】古い町家が並ぶ奈良市の奈良町かいわいを散策していると、外でひなたぼっこをしている猫をよく見かける。町には猫カフェがあったり猫グッズの展示会が開かれたり。「にゃらまち」なんて言われることも。でも、そもそもなぜ多いの? 大まじめに猫たちを追いかけているうち、奇妙な説に巡り合った。 猫の暮らしを見てみようと、猿沢池にほど近い空き地で取材開始。飲食店や古民家が立ち並ぶ一帯に、6匹が一緒にすむ寝床があった。茶色の毛並みをなびかせる太った猫や黒っぽい猫など、種類も大きさも様々。日なたで首元あたりをかいたりするなど、まったりムードだ。 観光客の写真撮影にも気軽に応じていたが、記者が近づくと軒下に隠れてしまった。えさはキャットフードやちくわ、残飯など。どうやら近くの住民からもらっているようだ。

【2】最近は奈良町の外に寝床を構え、えさだけもらうためにやって来る猫も増えているとか。確かに、路地などにキャットフードが置かれている場所がちらほら。地元の女性は「キャットフード代でお金がどんどん飛んでいくけど、とにかくかわいい」と話す。 ただ、一方でフンの被害もある。市生活衛生課には多いときで週に4、5本の苦情電話があるという。 では、実際に何匹くらい猫はいるの? かいわいで飲食店を営む野村修司さん(55)は05年から毎年、猫の写真や陶器、木彫り、絵画などの作品を展示・販売する「にゃらまち猫展」を開催している。疑問をぶつけてみたが、「分かりません」。ほかにも商店主らに話を聞いたが、「多いのは確かだけど……」と頼りない返事。猫の数も30匹~100匹と、人によってまちまちだった。

【3】市の担当者は「市全体で飼い猫は3、4万匹。外にいる野良猫はそれとほぼ同数では。奈良町周辺は3けたはいかないと思うが、2けた台がいるのは間違いない」。 もしかしたら奈良町の一角にある世界遺産・元興寺と何か関係があるのかも? 辻村泰善住職に聞いてみると、「関係はありません。むしろ、猫はネズミを食べてしまうから、殺生を禁ずる寺では飼ってはいけないと昔から言われています」ときっぱり。 辻村住職によると、奈良町で猫が増え始めたのは80年代ごろから。ペットブームもあって飼い猫とともに野良猫が増えたらしい。「お寺もそうだけど、路地や空き地、庭が多く、猫にとってすみやすい場所なんだと思いますよ」

【4】一方、奈良町を英語でガイドしている大和郡山市の八丁良子さんは「この一帯は優しい高齢者の方が多い。猫に対しても優しくする人が多いのでは」と推測する。 確かにそうかも。でも、何だかすっきりしない。取材を続けていると、東大寺清涼院の森本公穣住職がこんな気になる伝承を耳打ちしてくれた。「東大寺の境内にある石のでこぼこ階段は、『猫段』と言われ、ここでこけてしまうと猫になる」実際、大仏殿と鐘楼をつなぐ「猫段」を歩いてみると、かなり歩きづらい。だとすると、古くからこの坂でこけた人はいったい今ごろ――。突然、頭のもやもやが晴れた。そうか、そうだったのかっ!。奈良町の猫たちの前世は、東大寺の「猫段」でこけた人だった、って、そんなわけはないか……。
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